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あるクライアントから「急遽、会社の債務超過を解消しなければならなくなった。役員借入が多額にあるのでそれを使ってDES(デットエクイティスワップ)をしたい。」との相談。
たしかに、それをやれば帳簿上の債務超過は消せますが、平成18年度の税制改正により、DESを行う場合、当該借入金について《弁済できない》と判断される部分については、税務上、債務免除益が発生することとなってしまいました。
また、DESを行うということは資本金等の額も増加しますので、場合によっては地方税の均等割額も増加し、今後、高い税金を払い続けることにも繋がります。
従って、エイヤッとやってしまうわけにはいきません。
資本等取引については会計と税務でかなり考え方に違いがあるので、神経を使いますね。
今回、会社の提案通りの方法でやってしまうと、
・税務上の繰越欠損金を超える債務免除益が発生してしまうため多額の法人税が発生する
・資本金等の額が増加することにより均等割についても1ランク上の区分になり税額が増える
という最悪の状態。
う~ん、どうしようか、と、ちょっと悩んだのですが、幸い、ある役員がまとまった資金を用意できるということだったので
「じゃぁ、疑似DESが使えるかな?」
ということに。
疑似DESとは、一度、ちゃんとした現金の払い込みによる増資を行い、その後、そのお金を役員借入の返済として役員にお金を戻す、といったやり方で、これについては今のところ、個別に課税する規定は存在しません。
(疑似DESにかかわる課税問題については、色々と議論はあるようですが)
ところで増資を行う際には株主間に発生する贈与の問題も考慮する必要があります。
《有利発行》をしたとなると、利益を享受した側に贈与税が課税されてしまいますからね。
というワケで今回の案件は、繰越欠損金の範囲内での債務免除と疑似DES、贈与税も課税されない、ということで税務上は《問題無し》にできたかな・・・
それにしても、まったく、《税》というものはあらゆるところに絡んでくるよなぁ、と、つくづく実感。
まぁ、そのお陰で我々のような職業が成り立つんですけどねぇ。
さて今回、「債務超過が解消された決算書が直ぐに必要だ。次の決算期まで待っていたら間に合わない。」ということで、上記のことに加えて決算期の変更手続も行うことになり、プラスアルファでバタバタ。
朝イチでの出来事だったので、一気に目が覚めたのでした。
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